わらべうたの本です。
赤羽末吉さんが、２万余もの中から選んだわらべ唄が30曲紹介されています。


別冊の解説小冊子に、末吉さんはこう述べています。
　　　この『絵本わらべうた』に絵をつけるにあたって思ったことは、
　　　この絵本はあくまで「唄」が主役で「絵」はわき役であるということだ。
　　　そこで、私は、この美しい楽しい「わらべ唄」を生んだ日本の土壌、その雰囲気を
　　　画面いっぱいにみなぎらせて、その中に「唄」を飾ろうとした


その説明を読んでも尚、この本は、画家「赤羽末吉」の画集のようです。



末吉さんは作品ごとに紙や筆を代えたそうですが、”日本の土壌・雰囲気をみなぎらせる”
ために、この本を創るにあたり、和紙をつかい、日本的な水墨画で描いたと解説しています。

表紙・本文はもちろん、見返し、扉に至る最初から最後まで、隅から隅まで
高い美意識を感じます。奥附はこっそりとつけられ、解説書は別刷りです。
わらべうたの歌詞と絵を邪魔する要素は一切ありません。

図書館で見つけて一目ぼれ。当時絶版になっていたので（なんでぇぇ〜）、ずっと探して
いましたが、ほんとに嬉しいことに再販されました。
私…、ページをひらく度にため息ついてます(*^_^*)❤

格調高すぎて、「わらべうたあそび」とはなんか違う〜？
そんな心配いりません。それは大人の視方で、子どもはそんなこと関係ないですからね〜。
ぜひぜひすばらしい絵を感じつつ、家族ぐるみでうたったり、視たりして楽しんでください。
それこそ、この本を創った末吉さんの願いですから。


尚、この本は「ライプチヒ国際ブックデザイン展」東独文部大臣賞および金賞を受賞しています

♫収録の唄♫
お正月さん　　おたまじゃくし　　江戸子守うた　　みかんきんかん　　桃栗三年　　節分のうた
お店屋手まりうた　　大寒小寒　　安珍清姫手まりうた　　凧あげのうた　　縄とびうた
赤猫さんのうた　　お手玉あそび　　お猿が三匹　　兎さんのお耳　　お使い手まりうた
坊やよい子だ　　からす勘三郎　　つくしんぼ　　ねんねん山の白兎　　あんたがたどこさ
七草のうた　　蛙の眼玉　　雪ふりのうた　　鬼が蓑きて　　とんぼとりのうた　　手毬てんてん
ほうほう蛍こい　　お手玉芸当うた　　羽根つきのうた

サイズ：25×24cm　　ページ:60　　発行1977/12


☛出版社の内容紹介より
作者がわが国に伝わるわらべうた30編を選び出し、情熱のすべてをかけて絵本化した作品

☞赤羽末吉
東京都生まれ。『かさじぞう』(こどものとも)に始めて挿絵を描き、50歳にして絵本画家デビューをした。以降、日本国内外から高い評価を得、1980年、それまでの全業績に対して、児童文学界において最も権威のある賞とされる「国際アンデルセン賞・画家賞」を受賞した。
作品に『スーホの白い馬』『かさじぞう』『こぶじいさま』『ももたろう』『王さまと九人のきょうだい』など多数。