ベスコフの書いたお話に、ささめやゆきさんが挿絵をつけた短めのお話の本です。
ちいさな人に読んであげるのもいいですし、物語を読めるようになった低学年のこが読むのに、お話の内容も長さもぴったりの本です。
主人公のトムテ”ヌッセ”に自分を重ねて、夜中に遊びまわったり、おもちゃ屋さんに並べられて緊張したり、友達の病気を心配したり…、読みながら、いろんな体験をするでしょう。
最後はべスコフのお話らしく、自分自身の知恵をつかって、幸せな気持ちでお話が終わります。
登場人物も皆いきいきと表現されていて、ベスコフらしい読み物です。
サイズ:21×19cm ページ:48 発行:1998/10 出版:福音館書店
☛出版社の内容紹介より
北欧では、納屋や古い家の床下など人目につかない場所に、小人(トムテ)が住んでいて、家畜や人を守っていてくれる、と信じられています。 人形作りの二人の娘さんたちの家の床下にもトムテ一家が住んでいました。そこのいたずら息子がヌッセです。 さて、クリスマスのすこし前、ヌッセは、夜中に娘さんたちが作ったトムテ人形の赤い服を着て遊んでいました。ところが、娘さんのひとりに見つかりそうになり、あわてて人形のふりをしたところ……、ヌッセは、町のおもちゃ屋に売られてしまいます。 おもちゃ屋のショ−ウインドウにかざられたヌッセは、うっかりあくびをしたのをひとりの男の子に見られてしまい……。 作者のエルサ・ベスコフは、『ペレのあたらしいふく』などで知られるスウェーデンを代表する絵本作家。そのベスコフが残した短い童話が、ささめやゆきさんの楽しい絵がたっぷり入って素敵な本になりました。クリスマスの贈り物にもぴったりです。
☞エルサ・ベスコフ
1874年、スウェーデンのストックホルム生まれ。少女時代から絵が好きで、美術学校卒業後は小学校の絵の教師になるが、結婚を機に絵本や児童書の挿絵を描きはじめる。1952年にスウェーデンの子供の本に対する最高賞「ニルス・ボルゲンソン賞」受賞。1953年没。
没後、1958年に彼女の業績を称えて、スウェーデン図書館協会より『エルサ・ベスコフ賞』が創立された。
『ペレのあたらしいふく』『おりこうなアニカ』『ぼうしのおうち』『ペッテルとロッタのクリスマス』『ラッセのにわで』『おひさまのたまご』『リーサの庭の花まつり』『いちねんのうた』など多数の絵本を残した。